10年ほど前に、私の妻は凍った道で滑って転んで、肩と足首と背中を痛めました。転んだだけでそんなにあちこち痛めるなんて、派手な転びかた。笑い事のようですが、本人は真っ青になって泣き腫らしています。彼女が真っ先に行くべき病院は、どこだと思いますか?
彼女が行ったのは、産婦人科でした。
10年経った今も背中がうずくと言います。彼女が必死で守った赤ちゃんは、もうじき10歳になります。
僕は本業をそっちのけで、これからの彼女たちを守ることを考えました。道路に砂を撒く機能が、自分の車に備わっていれば、とにかく危険な場所に砂を撒いておける。そう思って試作品を作り、ガムテープで自分の車に取り付け、実験を重ねましたが、取り付ける方法がガムテープでは、売り物にならず、バンパー部分を加工する提案も、無駄なあがきでした。10年前のことです。
妻と娘は雪のない町に引っ越してしまいました。
凍った道へのトラウマを抱えながらがんばって来た妻のことや、多くの人が雪国を離れていく現実を考えると、夜も眠れませんでした。というより、早く寝すぎて夜2時には眼を覚まし、図面を描く生活が続きました。あまり、良いアイデアではありませんが、無い知恵を振り絞った結果をお見せします。

オレンジ色の物体が、貝殻片を撒く「すなまきニンジャ」という装置です。札幌市では交差点ごとに砂の入ったポストをおき、歩行者やドライバーが自主的に道路に砂をまきます。砂をまくことは行政的にもOKなわけで、むしろ推奨されています。
軽自動車は大きさが揃っているので、ベルトの長さを調節するだけで、いろいろな車種に取り付けられます。まずはきっぱり断られたホンダさんから。

つぎは、やっぱり断られたスズキさん。

どう見ても夏ですね。

次は、お返事自体をもらえなかったダイハツさん。


平成30年11月17日に作図を始めて、平成31年2月23日に特許申請をしました。
たくさんの会社にお願いしてみました。メーカーさんや自動車用品のメーカーさん、電子機器メーカーさんにも提案してみましたが、まったく相手にされません。
自分でやらなきゃダメなんだ。
日本は今、モノ作りに慎重になっている。だからみんな、中国で作ろうとするんですね。
でも、僕は日本で作りたい。僕自身の手で作りたい。
この製品を、必ず世に出して、スリップ事故や、転倒事故をなくしたいと思います。詳しくは、ここにおいたPDFファイルに情報がありますので、参考にしてください。